今週の東京日曜メインの重賞はGⅢ東京新聞杯が行われます。
GⅠ安田記念を見据えたステップレースの1つという立ち位置ですが、その春のマイル王決定戦はまだ先の6月1週目。GIを意識するにはちょっと早すぎる?
確かに以前は東京新聞杯を勝ったからと言って、即、安田記念の有力候補とはならなかった。トップマイラーが休養している寒い時期の、メンバーが手薄な重賞を勝っただけで、本番ではせいぜい4~5番手止まり。事実、馬券に絡むこともほとんどなかった。
ところが、です。

ここ2年の勝ち馬がすごい!
一昨年がリスグラシューで、昨年がインディチャンプ。いずれも2019年の日本競馬シーンの主役を張った馬たちだ。
一気に“出世レース”へと風向きが変わったのである。2度あることは3度あるとも言うし、今年も東京新聞杯には注目しなければいけないでしょう。
リスグラシュー、インディチャンプに続く馬は現れるのか?
登録馬から現時点での有力馬をピックアップしていきたいと思います。
有力馬ピックアップ解説
インディチャンプ的な馬……というと、真っ先に挙がる1番手がこのヴァンドギャルド。
1勝クラス→2勝クラス→3勝クラスと、文字通りトントン拍子の3連勝でオープンクラス入り。勢いなら間違いなくメンバー中で一番ですね。
ポイントは昇級初戦での重賞挑戦、つまり力関係ですが、2~3歳時に東スポ杯3着、毎日杯3着など、重賞でも複勝圏内に来た実績がすでにあり、何だったらGⅠホープフルSでも穴人気(結果6着)したほどの素質馬。

GⅢくらいだったら、実力は足りています!
むしろ、本来持っていた素質に体がようやく追いついてきた、といった感じではないでしょうか。
藤原英厩舎だけに下手な仕上げはしないでしょうから、3カ月ぶりでもあまり気にする必要ないでしょう。
もちろん、最終追い切りの動き、陣営のコメントには要注目ですが、現時点での1番手に推したい馬ですね。
充実ぶりなら負けていないのが、同じ関西馬のレッドヴェイロン。名門・石坂正厩舎が送る期待の1頭です。
こちらはヴァンドギャルドのようにイケイケドンドン連勝中というわけではないですが、なにせ12戦して複勝圏内を外したのは、なんとたったの1回。それも2017年11月のデビュー2戦目だったわけなので、ここ2年程は競馬を走れば必ず3着以内に来ているのです。
何という安定感でしょうか。
しかも、単に下級レースで3着以内をキープしていたというのではなく、GⅠ・NHKマイルカップ3着、GⅢアーリントンカップ3着と、重賞でも上位に食い込める能力の高さを見せてきました。
脚部不安のため1年休養するなど、出世は遅れましたが、昨年10月の復帰後も1着、2着と相変わらずの安定ぶり。この東京新聞杯をきっかけに一気にスターダムを駆け上がっていい逸材でしょう。

兄も4頭が重賞ホースですからね!
実績で言うなら、東のレイエンダか。
ご存じ、兄はダービー、天皇賞・秋を勝ったレイデオロで、血統的な能力の裏付けは十分。デビューから楽々3連勝したときには、兄を超えるかも……とワクワクしたものです。
残念ながら、現在はそこまでの成績を残すには至っていませんが、優等生的なレイデオロと違って、弟はちょっとムラっぽい。また、その性格からなのか、現状はちょっと短めの距離の方が力を発揮できるようだ。
成績が示すように連軸の信頼度としては「?」がつくけど、快勝したエプソムカップや、鋭く2着に迫った富士Sはいずれも東京コース。
ハマったときの末脚の威力は相当なモノだ。

その「ハマる」ときがいつなのかが問題なわけですが……
とにかく、ここもアッサリ勝っていいだけの力があることだけは間違いない。
一昨年のエプソムCの勝ち馬、サトノアーサーも潜在能力という点では無視できない1頭です。
こちらもレッドヴェイロン同様に脚部不安のため1年もの休養を余儀なくされたのですが、順調だったらとっくにGⅠ戦線を沸かせる1頭になっていたはず。
ダービー、菊花賞ではいずれも5番人気に支持されるほどだったし(結果はどちらも2ケタ着順でしたが)、きさらぎ賞2着、毎日杯2着、神戸新聞杯3着と、常に勝ち負けの位置にいた「レイデオロ世代」トップホースの1頭でした。
復帰後の2戦はリステッド競走で2着、6着。休養前ほどの走りはまだ見せられていませんが、

先週の坂路追い切りでメチャクチャ動いたらしいです
今回は走り頃の3走目。そろそろ大変身があるかも?
ここまでは牡馬を挙げてきたが、牝馬では何といってもプリモシーンでしょう。
昨年、1分30秒5の超レコード決着となったGⅠヴィクトリアマイルで、1着ノームコアからクビ差の2着。ビッグタイトルにあと一歩まで迫った。
その後が案外だったのは気になるところですが、スピードは牡馬に交じっても上位クラス。
また、ヴィクトリアマイル2着に加え、新潟・関屋記念Vの実績が示す通り、左回りのマイル戦は好条件。一変が期待できるだけに、最終追い切りの動きには注目しておきたいところです。
斤量がちょっと重いのは気になるところですが……
ほか、唯一のGⅠ馬ケイアイノーテック、マイルで一発があるクリノガウディー&ケイデンスコールの4歳勢、前走準OP勝ちの内容が良かったシャドウディーヴァなども侮れないところ。

追い切りの動きや陣営のコメント、枠順、データなどもろもろ加味して、週末予想で結論を出したいと思います。