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【祝オスカー】馬券オヤジも震えた映画『ジョーカー』 ホアキンの狂気にひれ伏す

【シネマ八極拳第1回】映画『ジョーカー』を見た感想

僕が去年、ハマった映画が2本あるのだけど、そのうちの1本がジョーカーだ。

こう書くと、いかにも“ミーハー”に思われるかもしれないが、別にそれはそれでいい。面白かったんだから、しょうがない。思わず映画館で2度も、それも値段がちょっぴりお高いI-MAXで観てしまったほど、僕にとっては刺さりまくった映画だったのだ。

そんな『ジョーカー』で主役のアーサー・フレックを演じたホアキン・フェニックスが、第92回アカデミー賞の主演男優賞を受賞した。おめでとうございます。

ちょっと遅くなりましたが、それを祝して、今ここで改めて映画『ジョーカー』で感じた個人的な魅力を語っていきたい。

『バットマン』シリーズ未視聴の方が楽しめる

まだ本作をご覧になっていない方もいるだろうから、あらすじ・ネタばれは極力避けていきます。当然です。

ざっくりと言ってしまえば、コメディアンを目指す青年(いや、もうおじさんか?)がバットマンシリーズ最大のヴィラン(悪役)であるジョーカーに変貌するまでを描くサスペンスだ。

観るうえで、バットマンの知識はまったく必要ない。劇中に登場する市長候補のお金持ちの息子(ブルース・ウェイン)が後のバットマンである、という程度のことを予備知識として持っていれば十分だろう。

むしろ、過去のバットマンシリーズを観ていた人ほど、それぞれのジョーカー像があるだろうから、「今回のジョーカーはなんか違う」と拒否反応がでるかもしれない。

それくらい、ジョーカーというキャラクターはまさに“カリスマ”であり、過去に演じた俳優を比較しても、ジャック・ニコルソンが至高だ、いや、ヒース・レジャーこそ本物、と意見が分かれるのは当然だと思う。

だから、そういったバットマンやジョーカーに対する過去の記憶、知識がない方が、今回の映画『ジョーカー』を素直に、ストレートに楽しめると思う。

実際に僕がそうだった。これまでの『バットマン』シリーズをまともに観たことがない。名作『ダークナイト』も観たことがなかった。ジョーカーに対する知識はゼロに等しかった。

それどころか、『バットマン』と聞くと、

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あの変なピチッとした黒いスーツを着た人でしょ、なんか子供っぽくない?

と、大人ぶってスーパー戦隊や仮面ライダーを卒業していく小学生のような気持ちで敬遠していた口だ。

そんな僕が、去年どころかここ5年ほどで観た映画の中でも、最高の1本だと自信を持って推すことができる。

だから、コミック原作の映画だからといって、変に敬遠しないでほしい。

スコセッシの映画は好きですか?

『バットマン』自体、実は大人にこそ観てほしい重厚なシリーズだったわけですが、それはまた別の話として、『ジョーカー』はそうしたコミック映画とか、ヒーローものの子供向け映画の派生とか、そういうのではなく、1つのヒューマンサスペンス映画として非常に質が高かった。

それもそのはず、メガホンをとったトッド・フィリップス監督は、マーティン・スコセッシの『タクシードライバー』『キング・オブ・コメディ』に多大な影響を受けているとのことで、この映画史に残る傑作をモチーフとして『ジョーカー』を作り、それどころかスコセッシにプロデューサーを依頼したというくらいだ。

何を隠そう、僕はスコセッシの映画が大好きで、無論『タクシードライバー』も人生ベスト10に入る映画の1つだ。

トラヴィス(ロバート・デ・ニーロ)の「なんだ? 俺に何か用か?」という有名すぎる名シーンを意味もなく鏡の前でよくマネるし、

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(トラヴィスになりきるには程遠いタルみ切った我が肉体を見ると、それは悲しいものです)

僕にあとほんの少しの勇気があれば、いつかトラヴィスのようなモヒカンにもしてみたい。

あのモヒカンは、男だったら一度はやってみたい髪型No.1だ!

そして、『ジョーカー』劇中でも『タクシードライバー』を思わせるシーン、セリフがあるのだけれど、デ・ニーロがトラヴィスとはまるで真逆の恵まれた立場の人物を演じるというのも、すごく興味深い。

ジョーカーは「現代のキリストか?」

『タクシードライバー』のトラヴィス、『ジョーカー』のアーサーはともに、社会になじめず、認められず、そんな鬱屈とした感情を解放して“狂気”へと走っていく。

特にアーサーが解放した“狂気”は、決して認められるものでも、賞賛されるものでも、まして許されるものでも決してない。

しかし、そんなアーサーを僕は、美しく、カッコいいと思ってしまった。

もう一度言うが、アーサーの行動は絶対に許されないことだ。

だが、そこに至るまでの説得力に、ぐうの音も出ずひれ伏してしまう。それはストーリーの説得力というよりは、ホアキン・フェニックスの演技による説得力の方が大きいと思う。

憧れのコメディアンを目指す純粋な青年が、社会の不条理に叩きのめされ、どん底へと堕とされ、そしてジョーカーへと覚醒していく。その過程で印象的な音楽、あるいは1960年代~70年代にヒットしたポップス、ロックミュージックとともに見せるホアキンのダンスが、まさに“魂の解放”を示しており、それがまた一段と美しい。

アーサーの“狂気”を美しいと見るか、醜いと感じるかは紙一重だろう。

現に僕の友人は「単なる妄想オヤジじゃねーか!」と一刀両断していたし、確かにそうかも、とも思う。

でも、僕は、美しいと思ってしまった。

特にタクシーの上でゴッサムシティの住人たちから祭り上げられるシーンは、「これは現代のキリストか?」と思ってしまったほどだ。

僕はアーサーに共感できる立場にはない

また、僕くらいの年齢になれば、社会への不満の1つや2つや3つ、いや、それ以上の悶々としたものを持っているのは当然だし、『ジョーカー』を観たあとはきっと「オレもジョーカーになりてぇ」なんて思っちゃうんだろうなぁと、軽い気持ちで思っていた。

でも、違った。

僕はジョーカーには到底なれない。あそこまで追い詰められたアーサーだからこそ、到達できる境地なのだ。

そして、それを見事なまでに表現しきったホアキンの姿には畏怖すら感じたし、だから、僕はアーサーには共感できない、いや、できる立場にはない。

また、何度も言うが、アーサーがやったことに対しては絶対に共感してはいけない。

逆に、明日からもうちょっと真っ当に頑張ってみようか、とも思う一方で、ジョーカーの美しくて残酷な狂気にあてられて、地に足がつかないというか、何も手につかないというか、感覚がふわふわしているというか……

レイトショーで観たこともあって、その日は朝まで眠れなかった。

僕と同じ競馬おじさんに感想を聞いてみたい

映画『ジョーカー』の感想は人それぞれで賛否が分かれるだろうが、問題作、衝撃作には変わりない。

世の競馬人たち、僕と同じくらいの年齢(40オーバーです)の競馬おじさん、とりわけ“馬券の狂気”に憑りつかれたオヤジたちは『ジョーカー』を観て、どんな感想を持つだろうか?

アーサー=ホアキン・フェニックスの“狂気”を一人でも多くの人に観てほしいし、その感想を聞いてみたい。

ちょうどブルーレイが1月29日に発売されたばかりで、現在、全国の映画館で再上映もされている。

この記事を読んで、少しでも『ジョーカー』に興味を持っていただけたなら、1レースか2レース分の馬券を我慢して、ぜひとも手に取って、もしくは映画館へ足を運んで観てほしい1本だ。

それだけの価値はあると思う。

ただ、僕のようにほんの軽い気持ちで観てしまうと、しばらく放心して、現実に戻ってこられないかもしれない。

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一度、心臓を叩いて、気を確かに持ってから鑑賞することをおススメします。

ホアキン・フェニックス (出演), ロバート・デ・ニーロ (出演), トッド・フィリップス (監督)

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