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【魔進戦隊キラメイジャー41話感想】悪の幹部・クランチュラの魂の叫びに、僕は息ができなくなった

キラメイジャー41話感想

魔進戦隊キラメイジャーの最新41話『ありのままでいたい』を見て、心がえぐられる思いがした。

邪面師(いわゆる怪人)の手によって、街中の人はおろかキラメイジャーの3人(レッド、グリーン、ピンク)までもが、頭からニョキッと猫耳が生えて、人の姿のまま猫化してしまうというお話。

猫だけに気まぐれだし、言うこと聞かないし、その上可愛いしでキラメイジャーは機能不全。本来はピンチのはずなのに、猫化した瀬奈お嬢様(グリーン)、小夜姉(ピンク)があまりにも可愛いすぎるから、みんなデレデレで危機感がない。もちろん、毎回グリーンとピンクにデレデレしている僕もいつも以上に鼻の下を伸ばしている。当然だ。

一方、もう一人(一匹)の猫、閃きの絵を描くことでキラメイストーンから様々なアイテムやマシンを作ってきたレッドの充瑠はというと……闇の帝国ヨドンヘイムの幹部で邪面師の作り手でもあるクランチュラと、ひょんなことから“クリエイター”同士、気持ちを通じ合わせ、キャッキャウフフしながら1枚の絵を完成させていた。

なんだ、コレ?

別に批判的な意味ではない。ここまでの流れは完全にギャグ回だし、クライマックス目前の41話でこんなほのぼの回、しかもここに来てまさかの敵味方和解ルートをブッ込んでくるなんて、むしろキラメイジャーという作品の懐の深さ、引き出しの多さに感心したものだ。

敵軍団の幹部と戦隊ヒーローが仲良くなってしまうのは案外珍しいことではなく、なんだったら前作のリュウソウジャーも一部そうだった。また、仲良くはならずとも、なんだか憎めない敵幹部というのは、これまでも数多く誕生していた。

でも、クランチュラに至ってはこれまでキラメイジャーと仲良くなるような伏線はなかったように思うし、お茶目なキャラではあったけれど、純粋悪だとも僕は思っていたのだ。

だから、最終回目前にして突如、なんの緊張感もなくホンワカした雰囲気のまま、思ってもいなかった和解ルートの出現に僕は戸惑ってしまい、思わず口から「なんだ、コレ」という言葉が出てしまった。

そして、この41話、真のクライマックスはこの後すぐにやってくるのを、この時の僕はまだ知らない。

仲良くお絵かきしている充瑠、クランチュラの前に、敵幹部の一人・ヨドンナ様(可愛い)が現れて絵を切り裂き、あまつさえ「こんなものに何の価値もないんだよ!」となじる。

仕事ではなく、久しぶりに心の底から純粋にモノづくりを楽しんだクランチュラ。思えば地球に来た当初は目にするものすべてが新鮮で、作り手としての感性を大いに刺激され、アイデアが次々と湧き、モノ(怪人)づくりも楽しかった。

「だけど、今は……」

キラメイジャーを倒し、地球征服を完了させるという“結果”だけを求められ、そこには単に“強さ”だけがあればいい。ヨドンナ様は言う。

「楽しいとか面白いとか、まったくワケわかんないね。すべてはヨドン皇帝の役に立つか、立たないかだよ! 大事なのは強いかどうか、役に立つかどうかだ」

闇の帝国の幹部としての正論を突きつけられ、一度はクランチュラは押し黙ってしまう。しかし、純粋に大好きな絵を描く充瑠の姿を目の当たりにし、ともに絵を描くことで知った。いや、思い出したのだ。

私は……忠誠よりも、侵略よりも、大事にしなければならないものがある。それは、『私』という邪面遣いの誇りだ! おかしくなった? 違う! 私は研ぎ澄まされ、より純粋になったのだ――作り手として!

人間たちから闇エナジーを発生させるために邪面を作っているクランチュラと、キラキラした閃き(キラメンタル)から地球の平和を守るアイテムを生み出す充瑠は一見、向いている方向は正反対。だけど、作り手という視点に立てば、その『心』は同じなのかもしれない。

クランチュラが絞り出したこの魂の叫びに、僕は身がつまるなんてものじゃない。一瞬、息ができなくなったし、その後の後半パートはどうやって呼吸しながら見ていたかも覚えていない。

それくらいに引き込まれ、見入ってしまった。クランチュラの“戦い”に。

僕と同じ思いをしたお父さんたち、多いんじゃないですか?

現実世界の仕事においても求められるのは大概、面白さではなくて、数字と結果。乱暴に言ってしまえば、儲かるかそうでないか。面白いと思われるものでもお金にならなければ価値はないし、会社の利益になったものこそがすなわち面白いもの、良いものとされる。

「大事なのは強い(儲かる)かどうか、ヨドン皇帝(会社)の役に立つかどうかだ」というヨドンナ様の理論が、まんま当てはまる。

資本主義における経済活動の中、この考えはまったく間違っていない。むしろ正解だから、一部の人にとっては苦しいんだと思う。

手前味噌ではありますが、クランチュラほどではなくても、僕もいちおうは“作り手”側に近い位置で仕事をしていた。

でも今は、もう会社側がそういう人間を必要としていないことが明らかだし、何をするにしても「会社が目標に置いている数字に貢献できるような仕組みとモノを作れ」と言われる。

まあ、ごもっともではあるし、給料をもらっている以上、会社の利益に資するのはサラリーマンとして当然の務めではある。

でもね、会社の利益になるように――ということを常に、第一に考えながらモノを作るのって、楽しいですか?

そんなわけで僕は、だんだんと会社の仕事に情熱を失い、今や社内ニートってわけですよ。会社の最前線でバリバリ働いている人に比べたら楽だけど、そんな僕でも良心のカケラは残っているから、今の立場は正直居心地が悪い。会社側も僕の扱いに困っているだろうし、なにより僕自身、こら給料泥棒だな、って思っているし。

戦い、勝利するためだけに邪面を作り続けるのはもうしんどい……。もっと自由に楽しく作ってみたい! そんな生き方も、きっとある。アイツが教えてくれた!

クランチュラの言葉そのまんまの気持ちで僕はいるんだけれど、このコロナ禍の中、「今はまだその時ではない」だろうし、もとより会社を飛び出して一人でどうにかなるくらいのクランチュラのような才能も僕にはない。

だから日々、悶々とした闇エナジーを抱え込んで生きている。そのタイミングでこの話だったから、余計に息ができなくなった――というわけだ。

まあ、いずれは会社を出ることになるんだろうけどね。

それにしても、前回の引きこもりの漫画家志望の青年の話といい、充瑠のラップ回といい、ほんわかギャグ回と見せかけて、突然、心をえぐるようなストーリーに展開していくから、キラメイジャーはホント、面白くて、奥が深くて、恐ろしい。

ここまでの1話~41話、まったくハズレがないですもん。ここ数年のスーパー戦隊シリーズの中で間違いなく、僕の中では最高傑作の部類に入っている。このまま、いや、さらに勢いを増すキラメイジャーはどのようなフィナーレを迎えるのか、本当に毎週が楽しみでならない。

そして、その心変わりから、ヨドン皇帝に「お前はもう用済みだ。消え去るがいい」と抹殺されたと思われたクランチュラ。しかし、寸でのところでもう一人の幹部・ガルザによって命を救われた。

「俺のためにやってもらいたいことがある」

そう手を差し伸べるガルザだが、自分の野望のためなら利用できるものは全て利用してきたのがガルザという男だ。単に“悪の友情”から助けたわけではないですよね? きっと何か裏がありますよね?

次回予告では、そのガルザをめぐって事態はかなり急展開するみたいだし、「最終章突入!」とかテロップ入っているし、一度は充瑠と心を通わせたクランチュラも「地球はこれでおしまいだー!」って何やら不穏なことを叫んでいるし……いったい、どうなってしまうんだ(ゴクリ……)

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