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グレープジュースとスイミングスクールと母の思い出

グレープジュースと母の思い出

先日、実家から仕送りが届いた

と言っても現金ではない。段ボールいっぱいのお菓子とかインスタント麺とかソーセージとかの非常食類。

去年春の緊急事態宣言の中、43歳独り暮らしの哀れな息子を心配した両親が「むやみに外に出なくて済むように」と、いろいろと食糧を詰めて送ってくれたのが最初だった。

以来、3~4カ月に1度くらいのペースでなんやかんやと食べ物を送ってくれるようになった。別に買い物ぐらいは普通にできるんだけど、北陸田舎住まいの両親にとって東京はとてつもなく危険な土地に見えているのだろう。

しかも毎回、新商品とか見たことないお菓子、インスタント麺を入れてくれる。僕を毒味に使っているんではなく、ちゃんと自分たちで食べて、これはウマい!と思ったものを選んで、仕送り候補にしているんだとか。こないだ、母が電話口の向こうで熱弁していた。

もはや息子への仕送りが趣味みたいな感じになっているけど、年金生活の中、本当だったらむしろ仕送りをもらわないといけないはずなのに、この年齢になってもまだ嫁がいないダメな次男坊を気にかけてくれることに感謝しかない。

いつか……ではなく、早いとこ親孝行しなきゃ。

で、お菓子といっしょに飲み物も入っているときがあるんだけど、今回、紙パックのグレープジュースが入っていた。

こういうヤツ。

これを見た瞬間、小学3年生のころの思い出が強烈にフラッシュバックしてしまった。

当時、僕はスイミングスクールに通っていた。おかげでひと通り泳げるようになったので、体育の授業でも困らなかったし、なにより夏のプール授業はすごく楽しかった。

と言って、スイミングスクールも楽しかったわけではない。生来の人見知りを爆発させていた9歳の僕は、当然、知らない人だらけのスイミングスクールで友達なんかできるはずもなく、ひと言もしゃべらずに黙々とコーチの言うがままに泳いでいた。

確かに背泳ぎ、クロール、平泳ぎ、さらにはバタフライと、ひとつひとつの泳法ができるようになっていく楽しさはあったのだけど(背泳ぎなんて最初、できるわけない!と思っていた)、そんな小さな喜びもそこまで。

4泳法ができるようになった子は、上級クラスに上げられて、タイムを競わされるようになるのだ。これが僕にとっては苦痛だった。別に速く泳ぎたいわけじゃない、単に泳げるようになりかっただけなのに……

もっとも、闘ったとしても私は誰にも負けんがね――

なんて才能ある男だったらカッコ良かったのだけど、あいにく僕は全力で泳いだところで全然速くない。いや、遅い。毎回、クラスの最下位か、良くてケツから2番目だった。

だからその日も、クラスのドンケツ争いを見事に制し、ひと言もしゃべらないままロッカーでうなだれながら帰り支度を始めた……いい加減、もう辞めたい

と、その時に初めて気が付いたのだけど、着替えが入っているバッグの中に何か別のモノが入っている。取り出してみると、紙パックのグレープジュースとメモ書きだった。

お疲れ様。帰りのバスで飲んでね

さすがに30年以上も前のことなので、一言一句は覚えていないんだけど、確かそんな風なことが書いてあったと思う。

たぶん、スイミングスクールがある毎週木曜の夕方になるとテンション激落ちになる息子のことを、母はちゃんと気が付いていたのだろう。

そんな心遣いと、何よりのやさしさが嬉しくて、いつもは「早くウチに着かないかな」と思っていた帰りのスクールバスも、この日ばかりは「そんなに早く着いたらジュース味わえないから、信号で毎回止まれ!」と念じていたものだ。

ちなみに、今の小学生はどうか分からないけど、昭和の田舎の小学生は「学校に勉強道具以外は絶対に持ってきてはいけません!」と厳しく教えられ、水筒のお茶ですらも遠足と運動会以外で持ってきてはいけなかった。ましてジュースなんて、不良どころの騒ぎではない。

そんな教育が刷り込まれているだけに、学校でなくとも“習い事”のスイミングスクールにも当然、水着と着替えのパンツ以外のモノは持ってきてはいけないんだと信じ込んでいた。

だから、水泳とはまったく関係のない、しかもジュースを持ってきているという非日常感、背徳感に9歳の僕はワクワクドキドキ。それも相まって、コソコソ飲んだグレープジュースの味は格別に美味しかったんだよなぁ

なお、この出来事をきっかけに頑張って水泳に打ち込んだのかというと、全くそうではなく、小学校4年生になるころにはすっぱりと辞めて、地元のソフトボールクラブに入った。メンバー全員が同じ小学校だったからクラスの同級生もいたし、他のクラスの子や先輩後輩ともすぐ仲良くなれたから、ソフトはめちゃくちゃ楽しかった。

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今もグレープジュース飲みながら、コレ書いてるよ!

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