今週日曜は東京競馬場で2020年のGⅠ開幕戦、フェブラリーステークス。
こないだ年が明けて金杯だと思っていたら、もうGⅠ。早いですよね~。
フェブラリーSで思い出すのは2017年。
当時、僕は出張で札幌に滞在していたのですが、カッチコチのツルッツルに凍っていた歩道に足を滑らせて、見事に転倒。左肩をきれいに脱臼してしまったわけです。
で、左腕を吊りながら買ったコパノリッキー馬券もあえなく轟沈。

身も心も痛い……
そんな思い出しかないウインズ札幌で見たフェブラリーSでした。
あ、でもジンギスカンと「らーめん信玄」はめちゃ美味しかったです!
さて、そんな個人的な話はどうでもいいとして、フェブラリーSの有力馬をピックアップして解説していきます。
目次
出走予定馬ピックアップ解説
クリソベリル、ゴールドドリームのGⅠチャンピオンズカップ1、2着馬がサウジアラビアカップ出走のため、フェブラリーSは不在。砂の2枚看板がいないここは、主役はやはりこの馬になりますね。
昨年の覇者インティ。
7連勝でGⅠを制したスピード、先行力は素晴らしいものがあります。ただ、その昨年のフェブラリーS以降、勝ち星がありません。
近走の成績を見れば、確かに昨年ほどの勢いや絶対的な強さを感じないのは仕方ないところでしょう。
しかし、前走のGⅢ東海ステークスは好位どころか中団まで控えるという今までにない競馬。そこから捲り気味に進出し、しぶとく3着を確保しました。

まさに新味開拓!
結果、勝つことはできなかったので、インティの力を考えれば物足りなさはあります。しかしながら、逃げ一辺倒ではなくてもしっかり結果を残すことができた。これはインティが一時の勢いではなく、競走馬としての真の強さを手に入れつつある、と言えるのではないでしょうか。
今回はどうやら、持ち味を最大限に生かす先行勝負の模様ですが、ここでたとえ他馬が競りかけてきたとしても、控えても走れるという新しい武器を手に入れた今のインティにとっては大きな問題となりません。
二段構えで競馬ができる今回、そしてチャンピオンズCで先着を許した2頭が不在のここは2連覇へ大きなチャンスとなるでしょう。
単勝人気ではインティの上を行くかもと思える“最大の上がり馬”がモズアスコットです。
ご存じ、GⅠ安田記念を制した芝のトップマイラーがダートに殴りこんできました。
芝の重賞馬のダート挑戦というこのパターンは、いくらGⅠホースであろうが、だいたいは苦戦するもの。

ええ、僕もそう思っていました。
ところが、ダート初挑戦となった前走のGⅢ根岸ステークスで、ゲートで出遅れながらも最後は楽々と差し切って1着という離れ業を見せたのです。
文句なしの強さでした。
これほどのダート適性を持っていることを見抜いた矢作厩舎。さすがノッてるチームは違います。
今回の東京1600mダートはゲートを出てからしばらく芝を走るコース。前走出遅れているだけにゲートの不安は残りますが、普通に発馬を切れば芝でのスピードが違う分、他のダートホースより楽にポジションを取ることができるのもプラスになります。そのうえで前走だけ走ればもちろん、このフェブラリーSも勝ち負けでしょう。
ダート界の新興勢力と言えば、アルクトスも注目の存在ですね。
昨年はダートOP特別×2→GⅢプロキオンSと3連勝後、初のGⅠ挑戦となった10月のマイルチャンピオンシップ南部杯でゴールドドリームに先着する2着と好走。勢いだけでなく、その実力がダートトップ級に並ぶものであることを証明しました。
そのマイルCS以来、4カ月ぶりとなる今回。冬場だけに馬体がしっかり絞れるかも含めて、最終追い切りの動き、当日の馬体重などには注意したいところですが、仕上がっていれば今回も無視できない1頭になってくるでしょう。
そのアルクトスをマイルCS南部杯で1馬身半差に下し、GⅠ初制覇を達成したのがサンライズノヴァ。
明けて6歳と、この馬もベテランの域に入ってきましたが、その脚力はまだまだ衰えておりません。ややムラっぽさはあるものの、差しがハマれば素晴らしい威力を発揮します。
そしてこの馬も東京マイルコースには自信を持っており、重賞2勝を含む4勝をマーク。フェブラリーSは18年3番人気で4着、19年6番人気で7着と、まだコース相性の良さを生かして切れていませんが、展開一つで上位争いに突っ込める下地を持っていることは忘れない方がいいでしょう。
この馬も今回が3カ月ぶりの休み明け。追い切り、パドックの様子には注意しておきたいです。
ほかにもJRA所属馬だと、東海Sでインティを差して2着に追い込んだヴェンジェンス、府中で差し脚が生きるワンダーリーデル、ミッキーワイルド、距離短縮への対応次第だが力はあるケイティブレイブ、デルマルーヴル、力をつけて帰ってきたブルドッグボスなど、目移りするほど実力馬がそろっていますね。
しかし、今年はこれらJRA勢に負けず劣らずの地方の雄が3頭参戦してきました。
その中でも1頭挙げるとしたら、ノンコノユメ。
もともとJRA所属馬で18年フェブラリーSの覇者。純粋な地方競馬出身ではないのですが、昨年5月に大井競馬に転出後、ひところの不振から完全に脱出。GⅠ帝王賞3着、GⅠ東京大賞典2着とJRA勢に割って入る活躍を見せています。

まるで3度目の全盛期がやってきたかのようですね。
この馬も東京コースは得意としており、15年GⅢユニコーンS1着、15年GⅢ武蔵野S1着、16年GⅠフェブラリーS2着、18年GⅢ根岸S2着。他の地方所属馬と違って、コース適性の心配も無用とくれば、ここで一発があっても不思議はないでしょう。
現時点での見解
現在のダート最強馬クリソベリル、それに次ぐゴールドドリームがサウジアラビア遠征のため、今回は不在。その分3番手、4番手グループの馬まで勝ち負けのチャンスが巡ってきた。
そんな状況が今年のフェブラリーSの予想を難しくしているように思います。
V候補は連覇を狙うインティ、初ダートのGⅢ根岸Sで戦列な強さを見せたモズアスコット。この2頭に人気が集中することが予想され、形としては“2強”。
僕もこれまでの実績、実力からこの2頭が中心と考えているが、インティは昨年ほどの勢いが感じられず、モズアスコットにも絶対的な信頼はない。
それでけに、この2頭ですんなり決まるとも思えない。
一方、3番手以降は地方馬も含めて力が拮抗している混戦メンバー。展開一つでどの馬にも上位進出の可能性がある。
大波乱もあると見て、この1週間はしっかり吟味していきたいと思います。