JRAとしては初めてとなる無観客競馬の1週目が終わった。
売り上げの面では割と健闘しているみたいだが、テレビで見る競馬場、パドックは異様でしかない。やはり、競馬はファンの歓声があってこそ。1日も早い終息を願うばかり。
僕等も手洗い、うがい、消毒をしっかりして、これ以上感染しないように気を付けていきましょう。
それでは春のGⅠ戦線へとつながる東西メイン、GⅡ中山記念、GⅢ阪急杯を振り返っていきたいと思います。
目次
第94回GⅡ中山記念 回顧・総評
ダノンキングリー、年明け初戦としては文句なし
9頭立てながらGⅠ馬が5頭も顔をそろえた豪華メンバーのGⅡ戦。
勝ったのはGⅠ未勝利馬のダノンキングリー。しかし、ファンもこの馬を格下とは思っておらず、むしろ素質は優にGⅠ級と認めての1番人気の支持。ダノンキングリー自身も、まったく危なげない完勝だった。
前に行きたいマルターズアポジー、ソウルスターリングを見る形で折り合いバッチリの理想通りの3番手。最後の直線では堂々と抜け出し、ラッキーライラック、インディチャンプらGⅠ馬の追撃を完封してみせた。
かなり余裕のある競馬に見えたし、どちらがGⅠ馬か分からないような貫禄すらも出ていたように思う。

年明け初戦としては文句なしの内容。
この中山記念を見て思うのは、やはり昨秋のGⅠマイルチャンピオンシップ5着は距離がやや忙しかったのだろう。ダノンキングリーにとって千八はあった方が競馬がしやすい。
そうすると“次”は、大阪杯だと個人的には思いたい。1800mでの抜群の強さを見せられると、あと1ハロンの延長はどうか、また実はマイルCSは距離ではなく関西への輸送が合わなかったのかも……と、アラを探せば不安点はあるのだけど、2020上半期の中距離戦線主役の1頭であることは間違いない。
大阪杯でも1番人気になるかも、と思わせる強いレースだった。
ラッキーライラックさすがの充実ぶり
2着ラッキーライラックも今の充実ぶりを改めて感じさせる好内容だったと思う。
4コーナーでやや手応えが怪しいかとも思ったが、インディチャンプを競り落とし、ゴール前でソウルスターリングをきっちり差して2着確保。最後の脚は本当に安定しているし、今後も大崩れすることはそうないのではないかと思わせる走りだった。
こちらも次走は大阪杯だろうか。目下の出来ならもちろん好勝負になるだろう。
インディチャンプはやはり距離に限界
4着インディチャンプは、道中の折り合いがギリギリという印象。直線坂を上がるくらいまでは2着はあるかなという走りだったが、もうひと押しがなかった。

総合的に考えると、千八ではこのあたりが限界なのかもしれない。
ただ、この馬は昨年の実績が示すように、マイルこそが勝負の距離。叩き良化型でもあるし、次走で予定している香港のチャンピオンズマイルは大いに期待できそうだ。
なお、3着ソウルスターリングは久々に良さを見せる3着。ここで引退という報道も出ていたが、もし復活のきっかけをつかんだとしたら大変もったいない。
ぜひ、ヴィクトリアマイルあたりを目標にして現役を続けてほしいものだ。
第64回GⅢ阪急杯 回顧・総評
勢いだけじゃない、ベストアクターの強さ
阪急杯は、降着があって少し残念なレースだったが、勝ったベストアクターはこれが重賞初挑戦とは思えない堂々とした差し切り。この連勝が単なる勢いではなく、真に地力をつけたものであることを示した好内容だった。
週初めの展望記事、週末の予想記事でも触れたのだが、この馬は牝系が素晴らしく、母の母は1987年&88年の最優秀4歳以上牝馬に輝いた名牝ダイナアクトレスで、近親にはJC馬スクリーンヒーローなど活躍馬が多数。母ベストロケーションもGⅢ京都牝馬S2着、GⅢキーンランドC3着など重賞で好走しており、父がディープインパクトだ。
重賞を勝って当然の血統であると思うし、そんな良血馬の素質が6歳にしてようやく花開いた。この年齢だが、競馬は今回を含めてまだ12戦しか走っておらず、今後ますますの活躍が期待できそう。
順調ならば、次は高松宮記念となるだろうが、これまで数を使えなかったということは体質的な課題があるのだろう。その点が不安ではあるし、1200mは未経験。6F戦のスピードへの対応も鍵となるが、すべてクリアできれば、GⅠでも無視できない存在となりそうだ。
そして、落馬負傷から3カ月ぶりの競馬となった浜中騎手が、復帰してすぐの重賞勝利。日曜だけで3勝をマークする活躍ぶりで、ベストアクターの勝利は浜中騎手の好騎乗があってのこと。

本当にお見事でした。
フィアーノロマーノ、ダイアトニックともに収穫
2着フィアーノロマーノはやはり直線の不利が痛かった。それでも最後までしっかり伸びてきたところに、気性面の成長が見て取れるし、春のマイル路線を見据えるうえでは収穫の大きいレースだったのではないか。
一方、降着となった3着ダイアトニックも、直線の斜行はいただけなかったが、高松宮記念を意識した積極的なレース内容は悪くなかった。ハイペースの中しっかり4番手で流れに乗れたし、序盤から出して行っても最後に伸びてくれると分かった分、これなら1200mでもと一定の手応えをつかんだに違いない。
高松宮記念の主役になるかというと……
ただ、ベストアクターにしろ、ダイアトニックにしろ、これまで書いてきたようにスプリント専科という感じはなく、この阪急杯で好走したからといって、高松宮記念の主役になったかというと、うーん……という感じ。
もちろん、1200mの方がもっと強かった、という可能性はあるが、やはり真打は次週の中山土曜メインGⅢオーシャンステークスからだろう。このレースには昨年のGⅠスプリンターズS勝ち馬タワーオブロンドン、同3着ダノンスマッシュが出走を予定。

こちらの展望はまた週明けにも掲載しますのでお楽しみに!
今週のひとり大反省会
1着△ダノンキングリー
2着○ラッキーライラック
3着 ソウルスターリング
4着◎インディチャンプ
5着△ペルシアンナイト
1着穴ベストアクター
2着▲フィアーノロマーノ
3着○ダイアトニック
4着 スマートオーディン
5着 ステルヴィオ
今週もひどい結果になってしまいました……
きょうは仕事が休みということもあって、阪神7Rあたりから何となく予想をツイートしてみたんですが……
◎にしたメディクスがいきなり出遅れて、「これはもしや……」と思ったら、案の定、◎にする馬がことごとく逆噴射。
結局、1頭も勝つどころか、複勝圏内にも来ないという逆神ぶりを発揮してしまったわけです。
まあ、通常運転と言えばそうなのですが、毎週こんな感じだと、ただでさえ立ち上がってまだ1カ月程度の弱小ブログなのですから、余計に読者が去ってしまうという危機感。なんでも最初が肝心。ここでドカンと予想を当てて、リピーターを増やさないといけないのに。

次の週末までしっかり勉強して、出直してまいります。