今週は障害レース含めて、東西3場で5つの重賞レースが行われます。競馬ファンにとって大忙しの週末になりそうですね。
一方で、政府が要請した自粛の期限が終わるころ。観客を入れての競馬が今週は開催できるのか、それとも引き続き無観客競馬となるのか――
感染が全国に広がっている以上、JRAとしても無責任なことはできないですから、難しい問題だと思います。
大相撲やセンバツが無観客で行われているところを競馬だけ客入れるんか!?ということにもなりそうですしね……
ドバイでもワールドカップ延期が取りざたされている現状です。ひとまずは、今週末もレースだけは無事に開催されることを願って、金鯱賞のレース展望といってみましょう。
目次
有力馬ピックアップ解説
大阪杯へのステップレースとなる金鯱賞。まず1番手に名前が挙がるのは当然、このサートゥルナーリアでしょう。
GⅠホープフルステークス、GⅠ皐月賞を制しているGⅠ2勝馬で、古馬相手のGⅠ有馬記念でも2着。実績、実力ともにここでは断トツの存在です。
ノーザンファームしがらきから帰厩後はここを目標に入念に乗り込まれており、2週続けて栗東CWで6Fを追い切っており、サンスポによれば、1週前追い切りの時計は6F82秒9、ラスト1F11秒3。
映像を見ていないので詳細は分かりませんが、このラスト1Fの時計は秀逸ですし、数字通りなら走れる態勢に仕上がりつつあると判断していいでしょう。今週の最終追い切りにも注目ですね。

一方で懸念されるのが、やはり左回りがどうなのか?
ここまでサートゥルナーリアは8戦(5・1・0・2)という成績を残していますが、右回り(5・1・0・0)とほぼパーフェクトであるのに対し、左回りは(0・0・0・2)と対照的。
すごく分かりやすいですね。
これを額面通り受け取っていいのか、それとも右・左の問題ではなくて気性面の話なのか、はたまた東京競馬場だけは馬が走れなくなってしまう風水的なオカルト問題なのか……
いずれにせよ、ここはサートゥルナーリアの成長を見るうえで大きな一戦。大阪杯に向けて、というだけでなく、同馬が日本の牡馬エースとして君臨できるのか否か――そのための大事な一歩になります。
サートゥルナーリアに真っ向勝負を挑むのが、同じ4歳世代のロードマイウェイ。
昨年はクラシックに乗ることはできませんでしたが、6月に1勝クラスを勝ってからトントン拍子の5連勝。重賞初挑戦となった前走のGⅢチャレンジカップでも、ケイアイノーテック、トリオンフ、ギベオン、ステイフーリッシュら並み居る重賞ホースを打ち負かして初タイトルをゲットしました。
しかも、これまでロードマイウェイは先行好位からの競馬が勝ちパターンでしたが、前走では一転して後方から控える競馬。いつもと違うスタイルながら、ラストの直線で見せた末脚の切れ味は素晴らしかったですね。
大舞台で脚質の広がりを見せ、かつ勝ち切るあたり、この馬の能力は本物でしょう。
今回はサートゥルナーリアという真のGⅠ級を相手に、どこまでの競馬ができるか。もし、皐月賞馬をも打倒してしまうようなら、春の勢力図がガラリと変わることになりそうです。
サートゥルナーリアとは違って、こちらは左回りで4戦3勝。同期のライバルがもたつくようなら、一気の主役交代があるかもしれませんね。
1つ、心配があるとすれば斤量でしょうか。5連勝中はすべて54kgでしたが、古馬になって初めてのレースで56kg。この2kgの増量がどう影響するか(それを言えばサートゥルナーリアも今回58kgですが……)
この関西馬2頭の間に割って入るのは、関東からの刺客ラストドラフト。
この馬もサートゥルナーリア、ロードマイウェイと同じ4歳牡馬で、2戦2勝でGⅢ京成杯を制した天才肌。ただ、続く弥生賞7着、皐月賞7着と、春に結果は出ませんでした。
その後、脚元の不安で休養に入り、迎えた秋。休み明けの初戦こそ8着でしたが、2走目のGⅢ中日新聞杯2着、今年初戦となった前走のGⅡアメリカジョッキークラブカップで3着。古馬に交じっても能力は重賞級であることを証明した2戦だったと思います。
しかも、AJCCでは4コーナーで故障馬を避けるアクシデントがあり、大きく外へと振られて最後方近くまでポジションを下げてしまった。競馬だから仕方ないこととはいえ、あれがなければ……という惜しい内容。

今度こそは完全燃焼の競馬をしたいところです。
また、上記2頭と比べて、こちらは10月、12月、1月とコンスタントに使われている分、仕上げに不安はありません。また、2走前に同じ中京2000mを好走しているだけに、コース経験も一歩リードでしょう。
何の心配もなくレースを迎えられることが強みです。
ほか、重賞2勝のニシノデイジー、18年のGⅠNHKマイルカップ2着で中日新聞杯の勝ち馬ギベオン、中山牝馬Sと両にらみながら昨年の中日新聞杯の勝ち馬サトノガーネットらが参戦予定。
また、引退レースと言われていたGⅡ中山記念で3着と好走し、藤沢和雄調教師がもう少し走らせたいと語っていたGⅠオークス馬ソウルスターリングも登録してきました。こちらも中山牝馬Sとダブル登録ですが、このまま出走なら、引き続き注目の1頭になるでしょう。
現時点での見解
実績、実力ともにここはサートゥルナーリアが1枚も2枚も抜けた存在です。
有馬記念もリスグラシューが強すぎたというだけで、4コーナーを回ってくる脚勢からすれば楽勝するのかと思ったほど。それだけに今年は牡馬のエースとして君臨してほしいですし、右とか左とか関係ない真の強さを見せてほしいものです。
まともに走れば勝利の可能性は高いでしょう。

そうは言っても、一筋縄ではいかないのがシーザリオ一家の難しいところ。
三度(みたび)左回りに苦戦するようなら、5連勝中のロードマイウェイ、関東馬のラストドラフトが一気に差し込んできます。
特にロードマイウェイは先行好位からの競馬だけではなく、前走で見せた末脚の威力が秀逸でした。これならどんな流れの競馬でも対応できるでしょうし、安定感という意味ではサートゥルナーリアより上かもしれないですね。
まずはこの3頭ですが、波乱を起こすとしたら当初で勝ち鞍のあるギベオン、サトノガーネットの一発、また、左回りのダービーでサートゥルナーリアとタイム差なしの5着など、実績ならここでも上位のニシノデイジー。
また、ソウルスターリングが登録だけでなく、本当に出走してくるとしたら、前走の中山記念で復活の兆しを見せたオークス馬だけに、上位3頭に次ぐ評価が必要になってきそうです。
フィリーズレビューの展望
日曜阪神のメインレース、GⅡフィリーズレビューの展望記事も合わせて公開しています。

先週のチューリップ賞とは打って変わって、こちらは確たる主役不在の混戦模様。抽選待ちの1勝馬も多く登録しており、予想が難しくなりそうな一戦となっています。
そんな難解メンバーの中から現時点での見解、有力馬を徹底分析しておりますので、お時間ありましたら合わせてご参考までに!