12月7日、8日に開催された、ももいろクローバーZのクリスマスライブ『ももいろクリスマス2021~さいたまスーパーアリーナ大会~」に行ってきた。
ももクロにとっては毎年恒例となっているクリスマスライブも、昨年は新型コロナ禍の影響により中止。今回は2年ぶりの“ももクリ”であり、さいたまスーパーアリーナで初めてライブを開催した2011年ももクリから数えてちょうど10年となる節目の大会でもあったのです。
そうした、様々な意味合いを持つ2021年ももクリ。僕は幸運にも両日ともに現地参戦がかなったのだけど、とにかく最高でしたよ……
10年前と同じ『CONTRADICTION』がライブのオープニングナンバーを飾り、アンコールの『猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」』ではオリジナル音源でもギターで参加しているあのマーティ・フリードマンが登場。これも10年前のももクリと同じだ。
こうした10年前のセルフオマージュを随所に盛り込みつつ、6人時代から愛される人気曲、ライブの定番曲から最新曲まで披露し、「あれから10年経った“今のももクロ”」がたっぷりと詰まった素晴らしいライブ、演出だった。
そう、演出。
ライブ直後は余韻に浸りまくり、いい意味での二日酔いみたいな状態だったので気にならなかったんだけど、数日経って冷静に考えてみると、今回のライブ演出にだんだんと違和感を感じるようになった。
別にネガティブな話ではなくて、ももクロちゃんの大箱ライブと言えば何が飛び出してくるか分からない、エンタメのおもちゃ箱のような演出がまず挙げられる。
ゲスト、ステージ、会場のギミックに至るまで、同じ音楽&アイドル業界にとどまらず、実に多種多様な演出が盛り込まれているのだ。
たまに演出が行き過ぎて「あれ、俺は何を見に来ているんだ?」と思ってしまうこともあるんだけど、それがももクロちゃんの大箱ライブの醍醐味であったりもする。
そうした多種多様な要素がももクロちゃんを中心にぎゅっと凝縮、濃縮され、とんでもないエネルギーを生み出す“エンタメのバーリトゥード”――それが、ももいろクローバーZの大箱ライブだ。
そうした背景、歴史があるからこそ、今回の演出に違和感を持ったのかもしれない。
なにせ、2年ぶりの大箱ライブ、初のたまアリ進出から10年の節目。こうしたキーワードがあるにも関わらず、ステージセットが特別豪華だったわけではなく、派手な演出はオープニングのパイロくらいで、いや、これにしたって10年前からやっていたし、会場を移動するフロート(トロッコ)も趣向を凝らしたものではなく、ゲストも前述したマーティ・フリードマンだけだった。
そう、シンプルすぎるのだ。
これは、新型コロナ対策のために必要最小限の人数でライブを行う必要があったからかもしれないし、もしくは、「2年ぶりのももクロ」「今のももクロ」をファンに思う存分に見て・聞いてほしいという意図だったのかもしれない。なんだったら、その両方を最大限に生かす答えが今回のライブ演出だったのかもしれない。
いずれにせよ、この形のライブだったからこそ僕はその通り、2年ぶりの大箱ライブのももクロ、コロナ禍を経た今のももクロを、十分すぎるくらいに全身で体感することができた。
多幸感に包まれる、とはこのことだ。
「これだよ、これ……これを待っていたんだ」
ライブ中、思わずこう口に出してしまった。今回のライブはコール・声だしが禁止されていたのだけど、別にこれくらいだったらいいですよね?
そんなこんなで、あっという間、まさに夢空間だった2時間半のライブ。
最後の挨拶で、しゃべる前からもう涙目になっていた最年長の高城れにさん。
「終わってほしくない。寂しい。帰りたくない――」
うん、分かるよ。モノノフはみんな同じ気持ちだよ、れにちゃん。
少なくともこのおじさんは、なんだったら有観客の24時間ライブを東京ドームあたりでやってほしいとさえ思っている。まあ、ライブといっても、かつてCSテレ朝やUstreamでやっていたようなヤツね。アレをモノノフとみんなでやってほしい。
一方、佐々木彩夏さんは10年前と同じく今年も頼りになる最年少だった。
「なんか腕が痛いなぁ、筋肉痛だなぁと思っていたら、みんなに向かって手を思い切り振ってたからだった(ハート)」
そう、確かにあーりんの腕がもげるんじゃないかと思うくらい会場のあちこちに向かってブンブンと手を振っていたし、ダンスも荒ぶっていた。
あーりんのダンスと言えば、こんなド素人おじさんが言うのもおこがましいけど、“頭から爪の先まであーりん”って思えるくらい一つひとつの動作、所作がピシッと決まって美しい。そんな印象を持っていた。だから、あんなに荒ぶるダンスを見せるあーりんって珍しいなぁ、なんて思って見ていた。
振り返れば、今年の夏も実はメットライフドーム(西武ドーム)でライブを開催する予定だったが、あーりんの体調不良により延期となり、その後、新型コロナ感染拡大の影響により中止になったという経緯がある。
責任感の強いあーりんのことだ、だからこそこのももクリにかける思いは人一倍だったのかもしれない(あくまで個人的な推測です。すみません)
そんなあーりんの全力ダンスを見ていたら、すごく元気をもらったんですよね。
我らが絶対リーダー、百田夏菜子さんの言葉にも元気づけられたというか、同時にジーンと来た。
「みなさん、元気でいてくださいね」
ファンに向けて、ライブの終わりにこんな言葉をかけるアイドル(もしくはミュージシャン)なんていたのだろうか?
いや、いたのかもしれないのだけど、夏菜子ちゃんの言葉には裏表がない。だから、本当に心にしみた。キンタロス風に言うならば、「夏菜子の言葉に俺が泣いた」。
40歳をとっくに過ぎ、リアルな感覚で健康のことが気になる年代の我が身。今日だって、会社の同世代の人たちと話をしていたら、いつの間にかお互いに健康相談になっていた。
健康のために運動しなきゃとは思うけど、根っからの出不精の僕は本当に腰が重い。でも、10年後もまた元気でももクロちゃんのライブに行くためには、やっぱり健康第一。夏菜子ちゃんの言葉で勝手に約束した気になっている僕は、きょう、さっそく30分ほどのウォーキングに出かけたのだった。
そして、玉井詩織さんである。
個人的にはももクリ2021のハイライトが彼女の言葉。
「このコロナ禍の中、ライブは生活に必要じゃないものと思い悩んだ時もあった。でも、こうしてステージに立って、ライブは絶対に必要なものだと思いました」
その瞬間、会場からはこの日一番とも思える大きな拍手。もちろん、僕も手のひらよ破裂しろ!とばかりに拍手を送った。
「温かいね、れにちゃん。みんなの拍手が……」
泣き虫な甘えん坊からももクロの若大将に成長したしおりんが見せた、ライブでの久々の涙。もらい泣きしないわけがない……(号泣)
しおりん、君だけじゃない。みんなが思っているよ。
ももクロのライブは生活に絶対に必要なものだ――って。
まあ、実際に僕がそうですからね。ももクロちゃんの本格的なファンになって10年。振り返れば、ももクロちゃんに出会ったおかげで、僕の生活には確実に色が増えた。いや、グッズとかの物理的な話ではなくて、精神的な例えとしてね。
だから、これはたまに考えるんだけど、もしももクロに出会わなかったらこの10年何をしていたんだろう?と思うと、ちょっと背筋が寒くなるときがある。
ももクロちゃんからは本当にたくさんの笑顔をもらいました。そして、このことがどれほど幸せなことだったか――。
なので、僕は大声で堂々と、胸を張って、何度でも言いましょう。
ももクロちゃんのライブは生活に絶対に必要なものなのです!
……いやあ、とりとめもなくつらつらと書いてしまいましたが、恥ずかしながら、それだけ思いがあふれてしまった。
実際には、10月に明治座で開催されたライブに行っているので、ももクロちゃんのライブが全くの2年ぶりというわけではないんですが、やっぱり、さいたまスーパーアリーナで開催するような大箱ライブ、ましてももクロちゃんにとってもモノノフにとってもクリスマスライブは特別。
そこで感じた思いを総合すると、この一言に尽きるのです。
「やっぱ、ももクロっていいよね!」
この思いを来年はもっともっと感じたい。
まずは1月23日に振替になった結成13周年コンサートからだな。2度延期になった春のライブは4月23日、24日に開催が改めて決まったし……こりゃあ、来年は楽しくなるぞ。

大みそかの「ももいろ歌合戦」のチケット当選しましたー! やったー! スタンド席だったのでクッションか座布団用意しないと……