今年のNHKマイルカップも荒れましたねぇ。
波乱の主役となったのはミルコ・デムーロ騎手騎乗の9番人気ラウダシオンでした。
ミルコ騎手、斉藤崇史調教師はじめ厩舎スタッフ、牧場スタッフ、オーナー、関係者の皆さま、本当におめでとうございました。
それではレースを振り返ってみたいと思います。
第25回GⅠNHKマイルカップ 回顧・総評
ラウダシオンの勝因は2つ
僕としてはまさかの結果でした。
と言うのも、ラウダシオンは1400mの馬だと思っていたからです。それをマイルまで持たせるどころか、完勝したのですからビックリしましたよね。
要因は2つ。
- 内め前残りの馬場
- ミルコ騎手の腕と読み
これでしょう。
先週は時計が速い割には外差しが結構決まっていたので、今週もその傾向かなと思いきや、土曜にふたを開けてみれば全くの逆。実に最近の東京競馬場らしい「時計が速くて、内の先行馬が残る」という馬場に変貌していました。
勝利騎手インタビューでミルコ騎手も「前が残って、差しが届きにくい」と馬場に関して言及していましたが、その特徴をバッチリ生かした騎乗をテン乗りで実践できるあたり、さすが名手ですよね。
ゲート自体は決して速くはなかったのですが、促しながら前に行き、レシステンシアのハナを叩く勢いで先行。ここにミルコ騎手の意志の強さが見られますし、完全に「レシステンシアの番手から行くこの形!」と決め打ちしていたのでしょう。
そうしてレシステンシアを突っつきながら、いい目標の先導役に利用して、自身は楽な手応えで折り合いバッチリ。最後はバテるどころか、後続を突き放してのゴールという、文句なしの快勝でした。

まあ、ひと言で言ってジョッキーが上手かった。
東京の前残り馬場はスタミナがいらない
また、今週のように典型的な「東京コースの前残り馬場」になると、スタミナはそれほど要求されなくなるんですよね。なんだったら千四どころか千二の馬でもマイルを走れるようなスピード優先の馬場になってしまう。
もちろん、だからといってラウダシオンが恵まれてのフロック勝ちと言うつもりはありません。
いくらミルコ騎手が好騎乗で、馬場が向いたといっても、あの勝ちっぷりは強かった。今後のスプリント~マイル路線を、今度は伏兵ではなく主役として、盛り上げていってほしいなと思います。
レシステンシア2着は立派
マイル路線の主役と言えば、2着に敗れたレシステンシアもそうでしょう。
中間に強い追い切りができず、この日も馬体重がマイナス6kg。デビュー以来最低体重だったように、出来は決して万全ではなかったと思います。
そんな中でも並み居る牡馬を抑え込んでの2着は立派。やっぱりスピードは一級品ですし、簡単には止まらない持続力も素晴らしい。
競馬はやっぱり強い逃げ・先行馬が1頭いるだけで格段に面白くなりますから、まずは秋までゆっくり休養して、またひと回り、ふた回りパワーアップして古馬相手に殴りこんでほしいですね。
いや、同じ3歳牝馬同士だったら、2000mの秋華賞も十分やれそうです。
ギルデッドミラーも牝馬マイル路線の主力に
あと、3着のギルデッドミラー。
この馬は、僕が週初めの展望で各馬を実力比較する際のキーホースとしてピックアップしていたのですが、本番ではタイセイビジョン、サトノインプレッサを逆転して3着に突っ込みましたね。
単なる善戦ホースではなく、GⅠでも勝ち負けできる能力があることを示しました。
この馬も2走前の千四があまりにも強かったから、マイルはちょっと長いと思っていましたが、ラウダシオン同様にスピードが生きる馬場も良かったと思います。
福永騎手が「来年のヴィクトリアマイルが楽しみ」とレース後にコメントしているように、順調に成長していけば牝馬のこの路線で主力の1頭となっていきそうですね。
今週のひとり大反省会
1着 ラウダシオン
2着▲レシステンシア
3着 ギルデッドミラー
4着○タイセイビジョン
5着△ルフトシュトローム
……
13着◎サトノインプレッサ

1着 トーセンスーリヤ
2着 アトミックフォース
3着 プレシャスブルー
4着▲ブラヴァス
5着◎インビジブルレイズ

1着 ディープボンド
2着▲マンオブスピリット
3着○ファルコニア
4着◎アドマイヤビルゴ
5着 イロゴトシ

1着△ビターエンダー
2着○ポタジェ
3着 ディアセオリー
4着 ウシュバテソーロ
5着▲サトノフウジン
……
8着◎スマートクラージュ

サトノインプレッサ不発はなぜ?
いやあ、今週もひどかったですね。
我がNHKマイルカップ本命のサトノインプレッサですが、馬場、展開が向かなかったとはいえ、ちょっと負けすぎました。
確かに直線は前にいるサクセッションがフラフラしていたため追いづらそうに見えましたが、それにしても伸びませんでしたし、いいところがありませんでしたね。
道中はいい感じに折り合っているように見えましたし、3~4コーナーの手応えもあるように見えたので、直線の不発っぷりはなぜなんだろう……?
戦前から言われていたように速い時計勝負がダメだったのか、はたまた初の長距離輸送で馬がしぼんでしまったいたのか、それとも左回りが合わなかったのか――。
ただ、素質、能力が高いことには変わりはないと思いますので、今後の巻き返しを期待したいです。
今週唯一の個人的ファインプレーは
あと、個人的なファインプレーだったのは、この土日の馬場傾向を見て、

馬券を買わなかった
これですね。財布への直撃弾はなんとか避けられました。
僕がやっているような弱小ブログでは「一人でも多くの人に見てもらえる機会(時間)がほしい」、という思いからなるべく早く予想記事をアップしています(土曜のレースなら金曜夕方まで、日曜のレースなら土曜お昼ごろ)。
なので、馬場傾向はだいたい先週の結果を参考にして、また天気予報とにらめっこしながら予想しているのですが、直前の馬場やパドックまで見て馬券を買うのと違って、今週のようなことがあるからブログでの予想は難しいですね。
まあ、新聞記者時代も同じように金曜には土日の重賞予想を出していたので、その時と変わらないといえば変わらないですし、僕の場合、直前予想にしたところで当たるかどうかは甚だ疑問ではありますが……
それにしても、ここ最近の我が◎の低迷っぷりは自分でも寒気がしている次第。
来週のヴィクトリアマイル、そんな僕がアーモンドアイに◎を打った場合にどうなるのか――自分でもちょっと楽しみなような、怖いような……