注目の日経新春杯、荒れましたねぇ。
勝ったショウリュウイクゾ号、重賞初制覇となった団野騎手、佐々木晶三調教師はじめ厩舎スタッフ、牧場スタッフ、オーナーら関係者皆さま、本当におめでとうございました。
一方で人気の2頭、2021春のGI戦線の新たな主役候補へと期待されていたアドマイヤビルゴ、ヴェロックスがそろって大敗。いったいこれはどうしたことか……
レースを振り返ってみたいと思います。
目次
第68回GⅡ日経新春杯 回顧・総評
GIで勝ち負けになるには時間がかかるかも
まずはアドマイヤビルゴから。
好スタートから道中は好位4番手のイン。前半1000m通過が60秒7の平均ペースで、勝ったショウリュウイクゾとほぼ同じ並びだったので、位置取りとしては絶好。勝負どころの4コーナーから直線入り口にかけては、9R梅花賞で快勝したディープモンスターとほぼ同じ形での入りだったので、武豊騎手としても勝つイメージしかなかったと思います。
ところが、肝心の末脚が全く伸びない……まさかの結果に終わりました。
日刊スポーツの記事によると
「雰囲気はいいと感じていたし、ポジションもいいところを取れたが、直線に向いたら(手応えが)一気になくなってしまった。今日の一戦だけでは何とも…。初めて走らなかったですね」と武豊騎手。
向こう正面で元気が良すぎるくらい行きたがっていたので、その辺が最後に響いたのかもしれないですし、今の中京は思った以上に力の要る芝みたいなので、小柄でスマートな競馬をするアドマイヤビルゴにとっては相性が悪い馬場なのかもしれない。
また、こういう人気が先行して走るタイプの良血馬、高額馬っていうのは1つの敗戦で評価をズンドコまで落としてしまう――というのは“競馬あるある”の1つですね。なので、競馬ファンの中でのアドマイヤビルゴ株も一夜にして暴落してるんだろうなぁと思います。
僕も正直、この大敗はガックリ来ています。GIで勝負になるにはまだちょっと時間かかるのかもなぁ、と。
この一戦で見限るには早すぎませんか?
ただ、個人的にはこの一戦だけで見限ってしまうのは早すぎるんじゃないかとも思うのです。
というのも、アドマイヤビルゴにとって救いだったのは、人気馬がそろって凡走し、勝ったショウリュウイクゾ、2着ミスマンマミーアともに人気薄の軽ハンデ馬だったこと。
つまり、それだけ特殊なレースだったということだから、乱暴に言ってしまえば度外視、なかったことにしてしまえばいい。
その一方で、人気どころで最先着した3着クラージュゲリエは、アドマイヤビルゴが前走のアンドロメダSで一蹴した相手。これを物差しに考えれば、アドマイヤビルゴがまともに能力を発揮すればこの日経新春杯でも勝ち負けにできていた、ということになるので、アドマイヤビルゴの素質そのものまでもを貶める必要は全くないと思うのです、まだね。
なんか、ヤフコメとか見てると、盛大な手のひら返しコメントであふれかえっていますが、それだけ競馬ファンの期待が大きかったという証拠でもあのでしょう。
最近の世の中……特に仕事の世界ではどの業種でも効率よく、最短で結果を出すことを求められていますよね? だから皆さん、競走馬にも同じことを求めているのかもしれないですが、アドマイヤビルゴはデビューも遅く、まだキャリア6戦です。
確かにノンストップでGIを勝つような超逸材ではなかったのかもしれません。でも、ファンの皆さんもここは余裕をもって、長い目で見てあげるべきなんじゃないかなぁと思いますよ。
その方が、競馬の見方も楽しくなりますしね。
もちろん、一番悔しいのは武豊騎手、友道厩舎らスタッフ陣。次走での大反撃を期待しています!
本当にヤバいのはヴェロックスの方では
一方、ヤバいのはヴェロックスの方でしょう。
有馬記念は仕方ないとして、これで菊花賞から後のレースはいずれも期待外れの内容と結果。アドマイヤビルゴに関しては「長い目」でと言いましたが、こちらはもうそんな余裕もなくなってきたのでは?
まあ、厳しい言い方すれば、ヴェロックスの方こそ「ここらが限界」の馬なのかもしれないですねぇ……
クラシック三冠戦で2、3、3着と言っても、個人的にはそこまで強い馬か?と思っていたので、なおさらそう感じてしまうのかもしれませんが、でも、さすがにここまで走らないのは想像していませんでしたよ。
ただ、父ジャスタウェイはある日突然覚醒した馬で、ジャスタウェイと同じハーツクライ産駒のリスグラシューも然り。だから、ヴェロックスもそういう日が来ないとも限らない。要はきっかけ一つ。そのきっかけが来るか、来ないか……ツキはどっちに出ている?
今週のひとり大反省会
1着 ショウリュウイクゾ
2着 ミスマンマミーア
3着 クラージュゲリエ
4着△サンレイポケット
5着△サトノソルタス
……
7着◎サトノインプレッサ

1~3着までノーマークにした馬が見事に独占……僕の予想は言い訳できないほどの大惨敗でした。
我が◎サトノインプレッサは最後それなりに伸びてはいましたが、坂井騎手もコメントしていたようにまだガツンと来るところがなかったようですね。
でも、全くのなんにもナシで終わったわけでもなく、今後良くなっていきそうだなという感じのレースでしたから、次走以降も引き続き期待したいなと思います!