3歳牝馬クラシックの第二冠目、オークスは1番人気に支持された松山弘平騎手騎乗の桜花賞馬デアリングタクト(牝3=栗東・杉山厩舎、父エピファネイア)が優勝しました。
これでJRA通算4戦4勝。無敗での桜花賞&オークス二冠達成は1957年ミスオンワード以来、63年ぶり史上2頭目の快挙となりました。
デアリングタクト号、松山騎手、杉山晴紀調教師はじめ厩舎スタッフ、牧場スタッフ、オーナー関係者の皆さま、本当におめでとうございました。

素晴らしい強さでしたね。脱帽です(マスクかぶってますが)
では、僕なりにオークスを振り返ってみたいと思います。
目次
第81回GⅠオークス 回顧・総評
中団より後ろの位置は信頼の証
戦前の予想通り、逃げたのはスマイルカナ。
前半1000mの通過59秒8は、普通だったらちょっと速いくらいだと思うのですが、東京芝は相変わらず速く、3歳1勝クラスの1600m戦で1分31秒台の時計が出るほど。そんな馬場状態を考えれば、むしろスロー気味だったとも言えるペースだったと思います。
その中で、注目のデアリングタクトは中団より後ろ。
スタートが良く、いつもより前めのポジションを取りに行きそうな動きだったのですが、結局この位置に落ち着いたのは、松山騎手のインタビューコメントによると、各馬がインを狙って殺到してきたから。
馬体がぶつかるくらい狭くなったみたいで、ここでジョッキーは無理せず突っ張らずにポジションを下げたとのことでした。
このあたり、松山騎手がデアリングタクトの能力を本当に信頼しているのだなぁと思いますし、馬の気性を考えれば、例えポジションが1列後ろになったとしても、他馬とやり合わずスムーズに折り合い重視で運べる位置を選択したのは、結果的に正解だったと思います。
また、デアリングタクトも今回はよく折り合っていたと思います。
パドックでは発汗が目立っていたのでどうかと思っていましたが、向こう正面からは実にスムーズ。あとは、どこから伸びてくるか……という態勢でしたね。
スムーズさを欠く追い出しながら、あの豪脚
ところが最後の直線、デアリングタクトは決してスムーズではなかった。
松山騎手は外へ出そうとしましたが進路がなく、馬場の真ん中へ切り替えるというロス。一方で、先頭へ目を移すとウインマリリン、ウインマイティーの同じ勝負服2頭が好位から抜け出し、しかも止まる気配がない。

あ、これは大波乱か?
と思った矢先のゴール前強襲、アッと言う間の突き抜けでした。
この脚にはメチャクチャ驚きましたよ。
今週の東京芝は先週よりも差しが決まり出したとはいえ、伸びてきたのは内を通ってきた馬たち。相変わらず外差しが利きにくい馬場状態だったように思います。
2、3着馬がまさにその「内伸び」ルートを通ってきており、例年だったらウイン軍団のワンツーだったのでは?
しかし、デアリングタクトはエンジンがかかってからの加速力がケタ違いでした。
決してスムーズに追い出せたわけではなく、進路を探しながら切り替えるロスがあり、また外が伸びづらい馬場の中でも、上がり3F33秒1(!)の豪脚で差し切り勝ち。
半馬身という着差以上の強さであったことはもちろん、中団から楽に圧勝するよりもはるかに価値のある勝利だったと思います。
アーモンドアイvs.コントレイルvs.デアリングタクト?
こうなると、期待するのは史上初となる無敗の牝馬三冠達成。
京都内回りの2000mもまた後方一気が難しいコースではありますけど、余程の不利がない限り、大記録達成の可能性が高そうですね。
むしろ、重要なのはその後。古馬との対決です。
個人的に希望したいのは、ジャパンカップでのアーモンドアイとの対決。本当だったら2000mくらいが一番いいのでしょうけど、秋のレース番組を考えればココしかないと思います。
さらに、ここにコントレイルが加わってくれたら……秋に向けて妄想がますますはかどりますね。一番の理想というか、夢見てしまうのは、
「無敗の3歳三冠馬2頭vs.アーモンドアイ、秋の府中2400m決戦」
もし本当に実現したら、誰が一番強いんだろうか?
今なら当然アーモンドアイがまず負けないと思いますが、成長著しい3歳馬ですから、半年後にはその力差は埋まっているかもしれない。
そう考えると、コントレイルにはまず、デアリングタクトに続き無敗で二冠を達成してもらわないと、というところですが、果たしてどうなるでしょうか?
春競馬のクライマックス、日本ダービーの展望・予想などはまた来週、順次アップしていきますので、お時間ありましたら、ぜひ当ブログに遊びに来てください!
今週のひとり大反省会
1着○デアリングタクト
2着 ウインマリリン
3着穴ウインマイティー
4着 リアアメリア
5着 マジックキャッスル
……
7着◎ミヤマザクラ

1着▲オメガパフューム
2着◎ヴェンジェンス
3着△ゴールドドリーム
4着 ヒストリーメーカー
5着△スワーヴアラミス

ミヤマザクラ最後のひと押しが足りず
オークスの我が本命ミヤマザクラは無念の7着。
2、3着馬を見る形で道中はいい感じでしたし、「内伸び」を狙ったコース取りはさすが武豊騎手。ラスト1ハロンでグッと伸びてきたときは「ヨシッ!」と思ったのですけど、最後のもうひと押しが出ませんでした。
デアリングタクトはもちろん、最後にかわされたリアアメリア、マジックキャッスルとは瞬発力の差が出たかなという印象。
それだけに、僕が考えていた理想はもう1列前、ウインマイティーの位置だったのですが、まあ、これは仕方ないですね。レース中の流れとか他馬の動きもありますし、みんな、あの位置が欲しかったと思いますし。
そう考えると、8枠から敢然と番手を取りに行った横山典騎手、絶好位のインを確保した和田騎手はナイス騎乗でした。
また、ミヤマザクラ自身に関しても、もっとやれる馬だと思っていますので、秋華賞戦線でもしつこく狙っていきたいと思います。

それではまた来週、ダービーでお会いしましょう~