みなさん、こんにちは!
前回、桜花賞展望①ではレシステンシア、マルターズディオサ、リアアメリアと、GⅠ阪神JF、GⅢチューリップ賞をステップにした、いわゆる王道路線組の有力馬を取り上げました。

今回ピックアップする馬は、それらのレースを使っていない“別路線組”。その中から特に有力と思われる3頭を解説、分析していきます!
目次
有力馬ピックアップ解説
まず1頭目がサンクテュエール。
今やすっかり競馬界のゴールデンコンビとなった、ルメール騎手&藤沢和雄厩舎が挑む今年の逸材です。
前走は牡馬相手のGⅢシンザン記念に参戦して見事勝利。負かした牡馬の中には、のちにGⅢきさらぎ賞を勝つコルテジアがいるのですから、決してレースレベルが低かったわけでもありません。
しかも、このレース3着だったコルテジアには0秒7もの差をつけての圧勝です。
競馬はそうした単純な比較が必ずしも正解ではありませんが、サンクテュエールの能力の高さには疑いがなく、桜花賞で勝ち負けになるだけの能力は十分に備わっていると思います。
シンザン記念を勝った牝馬といえば、すぐに思いつくのがジェンティルドンナ、アーモンドアイの三冠牝馬2頭。
また、ここ2年続けて桜花賞はアーモンドアイ、グランアレグリアと、3カ月以上の休み明けで臨んだ馬が勝っています。
このように良いデータが並ぶうえに、藤沢和厩舎は昨年のグランアレグリアを休み明けで勝っている実績、ノウハウがあるのですから、今回の仕上げに関しても心配は無用でしょう。
ルメール&藤沢和コンビが2年連続勝利なるか、そしてルメール騎手にとっては桜3連覇の大きなチャンスと言えそうです。
今年の桜花賞戦線、一番の新星と言えばこの馬、デアリングタクトではないでしょうか。
それほどまでに前走エルフィンステークスのインパクトが強すぎました。後方3番手からレースを進め、直線は大外から一気の脚。
2着につけた着差は4馬身、勝ちタイム1分33秒6はかなり優秀だと思います。負かした相手の中にはのちにGⅡフィリーズレビューを勝つエーポスも含まれていますからね。
それでいて、デアリングタクト自身にはまだかなりの余裕がありましたので

これはとんでもない大物が出てきたか?
と多くの人が思ったのではないでしょうか。僕も思いました。アンカツさんもツイッターでデアリングタクトを高く評価しています。
課題があるとすれば、デビューから2戦はいずれも直線平坦の京都コースであること。エルフィンSで見せた瞬発力、切れ味が鮮烈すぎた分、これがゴール前に坂のある阪神コースで同じ威力を発揮できるのか?という懸念があるでしょう。
ただ、そんなことは全く関係ありません、ってくらいの魅力を感じる器でもあるのも事実。初めての超一線級を相手にした真価を問われる大一番で、どのような競馬を見せてくれるのでしょうか。
ミヤマザクラも忘れてはいけない1頭です。
新馬戦こそ4着に敗れましたが、続く未勝利戦では5馬身差のレコード勝ち。GⅢ京都2歳Sではマイラプソディの2着に好走しました。この3戦はいずれも牡馬相手のレースであり、この馬の才能も間違いなく3歳牝馬トップの一角でしょう。
デビュー戦から1800m→2000m→2000mと走ってきたミヤマザクラ。この距離選択からして、てっきりオークス一本かとも思いましたが、前走GⅢクイーンカップでマイル路線に殴り込み。距離短縮でも戸惑うことなく、難なく2番手につけてからの抜け出し快勝でした。
この1戦をとってもセンスがズバ抜けていると思いますし、マイルにも対応できるスピードの持ち主。また、牝馬特有のビュン!という切れ味ではなく、追えばどこまでも伸びるようなタイプだと思うので、直線坂のある阪神はぴったりでしょう。
また、レシステンシアが飛ばす流れになれば、スローの瞬発力勝負にはなりにくく、その点もまたミヤマザクラ向きの流れになりそうな予感もします。
ただ、福永騎手がクイーンC後にかなり反省していたように、前走はかなり楽な展開となってしまいました。
あれほど絶好の形は桜花賞ではそう簡単には望めないでしょうし、やはりベストはマイルより長い距離。激流になった千六戦でモマれた場合でも力を発揮できるのか?
その点で本番ではどの位置から競馬を進めるのか、福永騎手の手腕にも注目したいですね。
現時点での見解
今年の桜花賞は本当に目移りしますね。
展望①、②では、おそらく人気しそうな馬を6頭ピックアップしましたが、ほかにも阪神JF3着・チューリップ賞2着のクラヴァシュドール、ファンタジーSとクイーンC連続2着のマジックキャッスル、末脚の破壊力はまだまだ見限れないウーマンズハートなど、両手で数えても足りないくらい。
そんな中、1番人気になるのはやはりレシステンシアでしょうか。
前走の敗因がたぶん分かっているうえに、今回は武豊騎手です。これで期待度が高まらないわけがありません。
そして戦法としては、前走のようなタメ逃げではなくて、阪神JFのように飛ばし気味で行く逃げになるはず。阪神JFだけ走ればもちろん、戴冠はもう目の前です。
ただし、スマイルカナも逃げを示唆しているようで、後続勢もレシステンシアを好きなように逃げさせることはしないでしょう。
もし、何か1頭がガリガリと競りかけてきた場合、武豊騎手はそれでもスピードの違いを見せてハナにこだわるか、もしくは共倒れはゴメンと2番手以降に控えるのか。そして、控えた場合はまたチューリップ賞のように伸びひと息になるのではないか。
そうした不安がないわけでもありません。
そうなると、展開・脚質不問のマルターズディオサ、好位で立ち回れるサンクテュエール、ミヤマザクラあたりの出番になります。なにせ安定感のある馬たちですから、そうしたレースの流れに左右されない強みがあります。
また、レシステンシアがスッとハナに立てた場合は、チューリップ賞のことがあるのでそう遅いペースにはならないでしょう。
となれば、後方で脚をタメるリアアメリア、デアリングタクトの末脚が生きてくる。

そう考え始めたら、もうどの馬にもチャンスがありそうで予想がまとまらなくなってきました……
なんしか、鍵を握るのは武豊騎手&レシステンシアのペース、位置取り。
一方で、これまでレシステンシアを逃げ前提で考えていましたが、よくよく考えると、武豊騎手が手綱をとった新馬戦は好位からでしたし、初重賞制覇を飾ったファンタジーSも2番手からの競馬。
タメ逃げがダメってだけで、控えたら控えたですごくいい脚を使うのかもしれません。

ダメだ、ますます迷宮だ……
そんな感じでひとまずはレシステンシアを中心に据えつつ、どの馬がどの馬よりも強いかではなく、展開、ペースからどの馬が浮上するのか――そんな観点から、まずこの桜花賞を週末まで考えていきたいと思います。

なお、桜花賞展望①ではレシステンシア、マルターズディオサ、リアアメリアの解説&分析をしておりますので、もしお時間ありましたら、そちらもぜひご参考にしてみてください!