いやあ、驚きました。
何がって、コントレイルです。
まさかあのような競馬で勝つとは思ってもいませんでした。決して過小評価していたわけではないのですが、サトノフラッグ本命だった僕としてはグウの音も出ないほど、完全に打ちのめされた気分です。

恐れ入りました……
福永騎手、矢作調教師はじめ厩舎スタッフ、牧場スタッフ、オーナー関係者の皆さま、本当におめでとうございました!
では、コントレイルの強さばかりが目立った皐月賞を振り返ってみたいと思います。
目次
第80回GⅠ皐月賞 回顧・総評
誰もが驚いたコントレイルの道中ポジション
まず、何が驚いたって、あの位置取りですよね。
ゲートはすごく上手に出たので、これまでの競馬通り、また下手に馬群に包まれないように、定石通りの先行好位策かなと思いきや、向こう正面に入るころには後ろから数えた方が速いポジションに――。

これ、大丈夫なんかいな……?
本命じゃなかった僕ですらこう思ったのですから、コントレイルをアタマで買っていた人はかなりハラハラドキドキ、ヒヤヒヤだったのではないでしょうか?
レース後のインタビューの福永騎手のコメントを聞く限りでは、本人も始めからこの位置取りを想定してはいなかった様子でしたね。
これはどうやら、イン側の馬場が悪くて馬が思ったほど進んでいかなかったことから、あのポジションに自然となったようですが、無理に行かせることなく、また、返し馬の感覚からすぐに待機策に切り替えた福永騎手の判断は見事だったと思います。
無敗の1番人気馬に騎乗して、かつ好位から行こうと思っていたのに反して後方から。しかもGⅠで初めての後方待機なんてなったら、普通ならパニックになりそうなもの。
それが……肝が据わっているというか、それ以上にコントレイルを心底信頼しているのでしょうね。
まるで父ディープインパクトのように
そして、競馬ファンの間でもおそらく話題になっているであろう、3~4コーナーの走り。
これが本当にすごかった!
弥生賞後にサトノフラッグの走りを評して武豊騎手が「あの当時のディープを思い出した」と語ったのが話題となりましたが、今日のコントレイルはそれ以上。
もともとそれほど大きくない体形もそうですし、矢作調教師も「ディープに似ているタイプ」と語っていたのですが、他馬とはまるで違うスピードの世界で生きているような、あの捲り上がりは、まさに父ディープインパクトの生き写しのようにも思えました。
ディープインパクトと言えば毎回、3~4コーナーで「勝負あり!」というレースを見せていました。今回のコントレイルが父のレースそのもので、手応えがまるで違うんですよね。特に本命にしていたサトノフラッグのすぐ外を上がっていったので、あまりの手応えと勢いの違いに、僕は早々と諦めましたよ。

これはモノが違いすぎる……!
サリオスも相当な強さを見せたが……
一方で、最低でも3馬身は突き放すかなという勢いの中、そうはさせなかったサリオスの力も相当なモノでした。
コントレイルと違って、こちらは理想通りの競馬を展開できたと思います。
ただ、反応が抜群にいいコントレイルと違って、こちらはエンジンのかかりがやや遅いタイプ。後ろから迫られればどこまでも伸びていくタイプなのですが、今回は外から一気にかわされてしまったのが痛かった。
坂上あたりでまた差し返すような脚も見せただけに、サリオスとしては直線で1~2馬身ほど先に出ておきたかったところだと思います。
まあ、これも裏を返せば、有無を言わさずそんなサリオスをねじ伏せたコントレイルが強すぎた……ということですよね。
結果的に2400mへの不安はなくなった
さあ、次はダービーです。
コントレイルとサリオスの差が半馬身、そしてサリオスと3着ガロアクリークの差が3馬身半。
つまり、ダービーも「2強」。
さらに言えば、コントレイルが一歩、二歩とリードしているでしょう。
福永騎手も言っていましたが、今回の想定外の競馬が結果的にダービーへ向けての視界をさらに明るくしてくれました。
ホープフルステークス後にも福永騎手は「ダービーに向けてあとは距離だけ」と語っており、短距離傾向にある母系や気性的にも、コントレイルにとってのダービーとは、相手関係よりも2400mの距離が最大の敵だったように思えます。
それが、後方からでもしっかりと折り合いがつき、かつ、父ディープインパクトのような末脚も見せてくれた――。
これは陣営にとっては、皐月賞勝利と同等か、それ以上に大きな収穫だったのではないかと思います。
右回りだと内にモタれる面があるとも言われている馬だけに、東スポ杯ですでに強い競馬を見せているように、左回りの東京に替わるのは間違いなくプラスでしょう。
そこへ加えて距離の不安が解消されつつあるのならば、怖いものはもう何もありません。あとは順調に5月31日を迎えるだけです。
成長度という点でも、福永騎手は「競馬を使うたびに走りが良くなっている」と語っていました。見ている側からしても、コントレイルの走りには毎回新鮮な驚きを感じます。今日の競馬がまさにそうでした。
本当に底も見えないし、天井も見えません。
そして、ナリタブライアン、ディープインパクト、直近ではアーモンドアイがそうであるように、1走ごとに“ベスト”を更新していく走りは名馬に共通するものだと思っています。
コントレイルは次のダービーで、どのような驚きを与えてくれるのでしょうか。楽しみしかないですよ。
2強に割って入れる馬は現れるのか?
対してサリオスはどうか?
今日の感じなら2400mも行けそうな感じがしますよね。陣営が距離に対してどのような考えなのかは分かりませんが、コントレイル同様にサリオスも東京の方がもっと走れるのは間違いないでしょう。
追えば追うだけ伸びる分、長い直線もプラスしかありません。
ファンとしては、ぜひともダービーでの再対決を見たいところです。
一方、この2強に割って入れそうな馬はもういないのか?
サトノフラッグがちょっとだらしなかったので、ここから巻き返しとなるとどうでしょうか?
マイラプソディもパンパンの良馬場だったら、今回ほどには負けないでしょうけど、それでもどこまでやれるか……といったところですよね。
となると未対戦組、特にアドマイヤビルゴへの期待が大きくなるのだと思います。しかし、これも次走の京都新聞杯のパフォーマンス次第になってくるでしょうね。
なので、ダービーをさらに盛り上げるためにも、アドマイヤビルゴにはぜひとも京都新聞杯を好内容で勝ってもらえたらなぁと思います。
今週のひとり大反省会
1着○コントレイル
2着▲サリオス
3着 ガロアクリーク
4着 ウインカーネリアン
5着◎サトノフラッグ

1着○ウェスタールンド
2着△アナザートゥルース
3着▲クリンチャー
4着△リワードアンヴァル
5着 コマビショウ
……
14着◎ベストタッチダウン

1着○タイセイビジョン
2着△ギルデッドミラー
3着▲プリンスリターン
4着 ボンオムトゥック
5着 トリプルエース
……
12着◎ノルカソルカ

いやあ、対抗にした馬が見事に3連勝です……
なかなか珍しいことなのかな?と思いますが、本人としては悔しさしかありません! この辺の勝負弱さですよねぇ。
しかも、中穴を狙って本命にした馬が沈み、一方では手堅く◎にした1番人気が沈み……と、予想が全くチグハグになってしまっているのも流れが悪いところ。
まさに『逆神』の怒りに触れてしまっているような……、単に予想ベタに拍車がかかっているような……
次週はいったんGⅠがお休みになりますが、なんとか流れをここで変えて、春GⅠシリーズへの再スタートを切りたいですね。
くよくよせずに頑張ります!

1度もスタートを切れていない、という説もありますが