【悲報】エネイブルさん、つけられる種牡馬がいない……

賞金総額22億円サウジカップはドバイWCに並ぶ世界的レースとなるか

サウジカップ2020

1着11億円の世界最高賞金レース、サウジカップの開催がいよいよ明日に迫ってきた。昨年8月、サウジC創設が正式に発表されてから、およそ半年。ついに歴史的な第1回目のゲートが開かれようとしている。

当日は「サウジカップデー」として、メインのサウジC(1800mダート)をはじめ、ネオムターフカップ(2100m芝)、ロンジンターフハンデキャップ(3000m芝)、サウジダービー(3歳、1600mダート)、サウディアスプリント(1200mダート)など、純血アラブ種のレースを含め全8レースが行われる。

なぜ、サウジアラビアで世界最高賞金レース?

サウジアラビアというと、サッカーの代表戦でよく戦ってる強い国だよなぁ、くらいの知識しか僕にはない。

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あと、石油がたくさん出そうだなぁ。

僕が無知なだけだが、その実態や歴史はよく分かっておらず、サウジアラビアという国に抱いているイメージはたぶん、日本に対して忍者がいる国というイメージしか持っていない外国人と同じようなものだ。

つまり、サッカーの代表戦や2歳重賞レースで名前を見るから知っている気になっているけど、よくよく考えると何も知らない国。むしろ、危ない国なんじゃないの?という思いさえある。

そんな謎の砂漠国サウジが、ドバイワールドカップをはるかに上回る賞金レースをやる、というのだから驚いた。

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オイルマネーって、すげぇ!

いや、なんでそもそも急に競馬の国際レースをすることになったのか?

そのあたりは世界の合田直弘さんによる解説が分かりやすい。

参考 【サウジC】クリソ頂く!世界最高賞金1着約11億円 合田直弘氏が解説スポニチアネックス

つまり、サウジは石油への高い依存から脱却し、多角的な産業と経済活動で国を発展させていこうという方針を策定した。

この2030年までの経済改革計画を「ビジョン2030」という。

そして、合田さんの記事にもあるように、この「ビジョン2030」の大きな柱となるものが娯楽産業、観光業であり、その目玉の1つとして競馬の世界最高賞金レースが誕生した、とのことだ。

レースの賞金総額が22億円、1着賞金11億円で、5着でも1億円くらいの賞金があるという。レース自体の格としてはローカル重賞でも、この超高額賞金はとんでもなく魅力的だし、サウジアラビアも国を挙げてプロモーションを頑張ったのだろう。登録料や輸送もろもろの費用はすべてサウジ持ちという破格の待遇を打ち出してきた。その成果もあり、JRAによると、サウジCデーの全レースの登録馬は全世界で延べ964頭にも上った。

世界各国から最強メンバーが集結した

数だけじゃなく、サウジCにエントリーした面々はその質も凄い。

ダート競馬の本場アメリカからは、昨年の米国最優秀3歳牡馬マキシマムセキュリティ、昨年のブリーダーズカップ・クラシック2着馬でGⅠ通算4勝のマッキンジー、今年1月のペガサスワールドカップ覇者ムーチョグスト、昨年の米国最優秀ダート古馬牝馬ミッドナイトビズーらが参戦。

さらに、競馬で最先端を走る同じ中東のUAE、ゴドルフィンからは2018年ドバイターフの勝ち馬ベンバトルが出走を表明した。同馬は今年2月のアルマクトゥームチャレンジラウンド2で初ダートに挑戦。2馬身差で快勝し、ドバイワールドカップの有力候補へと躍り出ていた。

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ゴドルフィン版のモズアスコットだ。

もう1頭、UAEからはグロンコウスキーが参戦。昨年のドバイワールドカップ2着、一昨年の米国三冠最終戦ベルモントS2着の実績があり、何より同馬にはデットーリが騎乗するのが魅力だ。

また、芝路線からは欧州最強軍団クールモア&エイダン・オブライエン厩舎のマジックワンドが名乗り。世界各地を転戦するタフネスウーマンで、これまでGⅠ未勝利ながら7カ国でGⅠ2着が7回。8カ国目の競馬で待望のGⅠ初勝利を目指している。

このように各国からトップホースが勢ぞろいし、春シーズンの世界的大一番・ドバイWCを前に世界最強決定戦が行われようというくらいの豪華メンバーがそろったのだ。

もちろん、その中に日本が誇るダート最強ホースも2頭、名を連ねている。

クリソベリルゴールドドリーム

フェブラリーSをパスしての参戦で、これだけの実績がある馬たちにも関わらず、リスクを承知で日本馬がこれまで経験したことのない未知の国への遠征を敢行した。このチャレンジングスピリットには本当に頭が下がる思いですし、このおかげで僕たち競馬ファンは世界の強豪を相手にした、しかも歴史的第1回目のレースをリアルタイムで見ることができる。

また、サウジC以外にもネオムターフにはディアドラ、サウディアスプリントにはマテラスカイ、サウジダービーにはフルフラットが参戦。ディアドラは英ブックメーカーの前売りでは断然1番人気に支持されているみたいだし、マテラスカイ、フルフラットの森厩舎2頭も好勝負圏内だろう。これらも含めて、本当に楽しみでならない。

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関係者の皆さま、本当にありがとうございます。

思い出すのは24年前、第1回ドバイWC

もう今から興奮が止まらないのだけど、この開幕前夜の興奮はドバイワールドカップの第1回開催前の高揚感を思い出す。

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もう24年も前の話で、僕はギリギリ10代だった。

振り返れば、あのときも米国競馬史に名を残すであろう名馬シガーのサプライズ参戦があり、日本からも当時のダート最強馬ライブリマウントが勇躍乗り込んだ。

ライブリマウントの6着は大健闘だったと思うし、何より、ソウルオブザマターとの猛烈な叩き合いを制したシガーの勝利がドバイWCの成功を大きく印象付けたのだと思う。そして、今や世界の競馬シーンで最重要ポジションの1つを担うドバイWCおよびドバイミーティングのその後の発展はご存じの通りだ。

サウジCもドバイミーティングのような成功を遂げ、その地位を確立できるだろうか。

世界の競馬シーズンの幕開けは中東から

その可能性は大いにあるだろう。中距離のダートをメインに置き、ダート・芝ともにスプリント、マイル、中・長距離、3歳戦という番組構成は、ドバイミーティングを意識してのものだろうし、かと言って、これはドバイから馬を奪い取ろうというものではない。

サウジCデーからドバイミーティングまでは約1カ月。この間隔があれば、サウジアラビアからドバイへの転戦が十分に可能だし、世界の競馬シーズンの幕開けは中東から――という図式が出来上がる。

今年と同じくらいのハイレベルホースを毎年そろえることができれば、政治的な関係はよく分からないけど、少なくとも競馬においてはUAEとサウジは同じ中東の国同士、切磋琢磨していけるのではないか。

ただ、ドバイミーティングの場合は、特にゴドルフィンが世界レベルの馬を常に所有していたので、たとえ欧米からの出走馬がピリッとしなくても、レースレベルを担保できた。その点、サウジアラビア出身の馬主といえば、ダンシングブレーヴ、アロゲート、エネイブルなど欧米で芝、ダートの世界的名馬を所有してきたアブドゥラ殿下もいる。それだけに、国と殿下が本気を出せば、サウジアラビアもUAEのように世界屈指の競馬大国になる可能性だってあるのではないか。

また、JRAの資料によると、競馬における日本とサウジアラビアの交流は20年近く続いており、日本では2歳重賞のサウジアラビアロイヤルカップとして親しまれているし、サウジCが行われるキングアブドゥラアジーズ競馬場では毎年3月に「ジャパンズカップ」が行われているという。

そうした背景からも、今後も日本からは毎年レベルの高い馬が芝、ダート問わず出走してくれそうである。

馬と騎手、競馬の一大カーニバルが開幕

さらに、前日の28日、つまり本日には武豊ランフランコ・デットーリライアン・ムーアオリビエ・ペリエ、米国のマイク・スミス、また女性騎手からは残念ながら藤田菜七子騎手は負傷のため辞退となったが、リサ・オールプレスミカエル・ミシェルらが参戦する騎手招待競走を実施。

2日間にわたって、騎手、競走馬それぞれにスポットを当てた競馬の一大カーニバルが行われるというわけである。

ドバイミーティングのように、今後10年、20年と続く世界的ビッグレースとして確立するためにも、やはり初回のインパクトは大事。

とにかく「凄い!」と思わせる好レースを期待したいし、その勝負の中にクリソベリル、ゴールドドリーム、ディアドラら日本馬と武豊騎手ら日本のホースマンが加わっていたら最高だ。

日本では無観客競馬という、ある意味歴史的な週末となるが、海を越えたサウジアラビアの歴史的な1日も、寝落ちしないようにという意味も込めて目を皿のようにして注目したい。

サウジカップのテレビ中継情報

サウジカップ、ネオムターフカップは2月29日(土)当日、グリーンチャンネルで無料放送されます。

  • ネオムターフカップ 2月29日(土)21時30分~22時30分
  • サウジカップ 2月29日(土)26時00分~27時00分

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