今週は金、土、日の3日開催。
中山では金曜にGⅢフラワーカップ、日曜にGⅡスプリングステークス、阪神では土曜に若葉ステークスと、クラシックへ向けたステップレースが3つ。皐月賞&桜花賞戦線もいよいよ大詰めといった感がしてきますね。
特にスプリングSは、クラシックに直結するレースとしてファンにおなじみのレース。
グレード制が導入された1984年以降、ミホシンザン、ミホノブルボン、ナリタブライアン、タニノギムレット、ネオユニヴァース、メイショウサムソン、アンライバルド、オルフェーヴル、ロゴタイプ、キタサンブラックが、ここを勝ってクラシックもその手に収めました。
また、ダイワメジャー、一昨年のエポカドーロも、スプリングSを勝つことはできませんでしたが、ここで出走権を確保して皐月賞制覇につなげています。
さらに、バブルガムフェロー、ウインブライト、ステルヴィオなども古馬混合GⅠの勝ち馬となっており、あらためて並べてみると、物凄いメンツです。
さて今年は、これら名馬たちに肩を並べる馬は出てくるのでしょうか。有力馬を分析していきましょう!
目次
有力馬ピックアップ解説
まずは、栗東・池江厩舎のドリームジャーニー産駒、ヴェルトライゼンデ。
新馬、萩ステークスと連勝し、GⅠホープフルステークスでも2着。勝ったコントレイルからは1馬身半差でしたが、レースぶりからすれば力差はもっとあるな、というのが当時見て思った正直な感想。
それでも相手をこの馬と決めて、真っ向勝負を挑んだ競馬はとても内容がありましたし、コントレイルが強すぎただけで、ヴェルトライゼンデも相当な素質馬。兄が皐月賞2着ワールドエース、菊花賞馬ワールドプレミアという血統を考えても、まだまだ奥がありそうですね。
また、ホープフルSで先着したワーケア、オーソリティ、ブラックホールが2週前のGⅡ弥生賞で2着、3着、4着。ここから分かることは当然、コントレイルだけではなく、ホープフルS出走馬全体のレベルが高かったということ。
ひるがえってスプリングSの登録馬を見てみますと、重賞で連対実績があるのはヴェルトライゼンデ1頭のみ。相手関係から考えれば、ここは勝ち負けを意識できる一戦と言えるでしょう。
1週前追い切りは新コンビを組む池添騎手を背に、栗東CWでの3頭併せ馬できっちりと先着。報道を読む限りではタイム、動きともに良かったようで、態勢は整いつつあるようです。
まずは初の重賞タイトルを手にし、打倒コントレイルの1番手へ名乗りを挙げたいところです。
2番手以降は混戦。
その中から最初に挙げたいのは、リステッドのジュニアカップ勝ちを評価してサクセッションです。
2走前のGⅡデイリー杯2歳ステークスは2番人気で6着と結果は出ませんでしたが、これはレース後のマーフィー騎手のコメントを見ると、どうやら早めに動きすぎた結果だった模様。
次のジュニアCでは前半じっくりとタメる競馬で2馬身半差の快勝。すぐに修正してくるあたりさすがは名手ですし、それに応えるパフォーマンスを見せたサクセッションも高い能力を持っています。
また、その前走を含め、全3勝のうち2勝がここ中山競馬場。コース相性も問題ありません。
ただ、デビューから4戦すべて1600mで使われており、1ハロン延長の1800mは今回が初めて。デイリー杯2歳Sでは仕掛けどころを誤ったにせよ、脚が持たなかったので、今回の鍵は相手関係の前にまず「距離」ということになるでしょう。
栗東・角居厩舎のディープインパクト産駒、ファルコニアは未勝利→1勝クラスと連勝。上昇度なら、この馬も見逃せません。
前走小倉のあすなろ賞は4コーナーで大外を回っての差し切り勝ち。着差こそハナですが、長くいい脚を使えることが分かりましたし、最後に2着馬を競り落とした勝負根性もなかなかのものです。
ローカル開催での勝ち上がりだけに、レースレベルに疑問を持つ向きがあるかもしれませんが、ファルコニア自身は新馬戦で1番人気に支持された素質馬であり、これまで4戦して2勝2着2回のパーフェクト連対。
もとより今回の登録メンバーは1勝馬が多く、たとえローカル回りだとしても2勝を挙げている能力はここでも上位と見ていいと思います。
もう1頭の2勝馬、ココロノトウダイは初の重賞挑戦だった前走GⅢ共同通信杯で5着。果敢に先行しましたが、最後にバテてしまったのは3カ月ぶりの休み明けだったことが影響してのことでしょう。
ただ、前が残る展開だった割に粘りがイマイチだったのは、久々の影響だけでなく、やはりこの馬は差しに構えた方がいいのかもしれません。
上積みが十分に見込める2走目の今回。相手関係も前走以上とは思えないので、末に徹すれば大前進があってもいいと思います。
現時点での見解
実績で頭1つ抜けているのはヴェルトライゼンデ。
皐月賞候補筆頭の2歳王者コントレイルに完敗したとはいえ、1馬身半差の2着に好走したGⅠホープフルSは内容のあるレースでした。
また、ホープフルSで先着したワーケアらが弥生賞で軒並み上位に来たことを考えると、この馬も素質自体は重賞級。加えて、弥生賞ほどメンバーがそろわなかったこの相手関係なら、ここはきっちりと重賞初タイトルを手にして、コントレイルとの再戦に臨みたいところです。
まともに競馬をすれば、勝ち負けは必至と見ていいかと思います。
これを負かすとしたら、上に挙げたサクセッション、ファルコニア、ココロノトウダイか。また、1勝馬から堅実駆けのアオイクレアトールも連候補に入るでしょう。
週アタマの見解としては、ヴェルトライゼンデが力を発揮すれば連軸どころか、アタマ軸としても堅い。
そして、上記で挙げた3頭のいずれかがこれを負かすことはできるのか、また、2番手以降は案外混戦だとも思うので、何かヒモ穴になりそうな馬はいないか、そのあたりをこの1週間でじっくり考えていきたいと思います。
阪神大賞典の展望
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